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Channel: 2011年12月税理士試験合格までの道程
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受験生活を終えて

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今日は、11日の日曜日。昨日合格証書が届き、教材を片付けたら、やっと合格したんだという実感が湧いて来ました。もうあの暑い夏の日に試験会場に行かなくていいんです。自習室に缶詰にならなくてもいいんです。これから税理士登録とか色々面倒な事が待ち構えているのはわかってますが、今のところはほっとしているというのが本音です。


ところでこのブログ、受験生活のモチベーションをキープするために作ったものだし、税理士試験合格までの道程というタイトルのブログなので、もうしばらくしたら閉鎖しようと思います。(と、考えていたのですが、2012年5月現在でも、毎日多くの方のアクセスがあるので、更新しないだけにして、当分の間、閉鎖はしないことにします。法人でいえば、解散はしたけど、清算しないみたいなですかね。)

ですがその前に、受験生活をちょっと振り返ってみようと思います。


まず、税理士試験の官報合格に至るまでの状況は次のとおりです。


1985
年、財務諸表論合格。この時まだ独身。

1990年、簿記論合格。この前年に結婚。

2006年再チャレンジ開始(48歳)。
2007年法人税法B
2008
年、法人税法合格

2009年酒税法、国税徴収法ともにA
2010年酒税法、国税徴収法ともにA
2011
年、酒税法、国税徴収法合格。


受験生活は通算で25年以上。苦節25年といえば聞こえはいいけど、ほとんどアホですね。よく続いたものです。とはいえ、実際は、財表合格前から結婚するまでの6年間は、恋愛と飲みに明け暮れていました。そして、簿記論合格後は、子どもが
3人生まれて、子どもたちと遊ぶのに忙しく、受験生活からは遠ざかっていました。また当時は、子どもたちの写真を撮るのにはまっていて、写真を撮っちゃあ雑誌の月例コンテストに応募するといった具合でした。このコンテストというのが、だいたい2000点の応募に対し、入選が20点という税理士試験の10倍の狭き門で、そう簡単に入選するものではありません。しかし、応募2年目頃からボチボチ入選するようになって、ついに2006年には年度賞3位を取ることができました。

この頃になると子どもたちも大きくなって写真を撮られるのを嫌がるようになり、写真は一旦棚上げして、税理士試験に再チャレンジすることにしました。この間約15年のブランクです。このブランクの間も、受けるだけー!みたいな感じで受けたりすることもありましたが合格するはずもありません。


本気で再チャレンジしようとしたきっかけは、自分の職業を紹介するときのなんとも言えない中途半端な感じに嫌気がさしたことでした。

つまり、「おしごとは?」「会計事務所の~」「ああ、税理士さん」「いや~まあ、税理士じゃなくて、税理士事務所に勤めてるんです」というようなやりとりですね。子どもたちも、私の職業を紹介するときに、「税金の計算をするしごとです」とか答えていたようで、父親として忸怩たる思いがあったんですね。そんなことを考えだすと悶々として眠れなかったりして、妻に「専門学校行っていい?」と許可を求めたのでした。再チャレンジ期間中、受験生活に嫌気がさしたときも、その悶々とした夜のことを思い出して、もう戻れないと勇気を振り絞ったものです。


再チャレンジを始めてからのことは、このブログのとおりですが、1年目は「税理士試験は諦めない人が合格する試験です」という講師のH先生の言葉を信じてひたすら頑張りました。が、気合が入りすぎて本試験で頭真っ白となりアウト。本試験直後は、精神に異常をきたす寸前でしたが、友人の助けもあって、何とか乗り切りました。そしてこの年の忘年会で、一足先に合格されたIさんに、「久しぶりだから仕方ないですよ。来年は絶対大丈夫ですよ」と励まされ、肩の力を抜いて頑張り過ぎないようにしたところ合格でした。


のこすところあと2科目となり、とにかく早く合格しなければならないという気持ちから、短期勝負可能な科目ということで、酒税法と国税徴収法にとりかかりました。酒税法は1年目の法人税法の後、3月間軽くやっていましたが、国税徴収法は初めてです。両方とも1月からの速習コースでチャレンジしました。カリキュラム通りやりましたが、肩の力を抜き過ぎていたのか、2つともアウト。その次の年は2月に持病の頚椎症が悪化し3~5月の3ヶ月全く勉強できず、6,7月に演習中心で挽回を図りましたが、さすがに詰めが甘く、これまたアウト。


で、今年は、去年の試験終了後から体力づくりに努め、無事受験シーズンを乗り切ってなんとか合格ということになりました。ついでというか付録というかですが、この5年の間にITパスポート応用情報技術者試験にも合格しました。更にどうでもいいことですが、民間実施の税理士事務所職員向け実務中級試験にも合格しました。


このブログも始めの頃はずいぶん気合が入ってモチベーションを維持しようという雰囲気に満ちあふれていますが、だんだん気が抜けたようになり、受験生活の息抜き的ものに変わって行きました。ブログタイトルも2008年12月合格から2011年12月合格まで3回変更しました。でも、やはり、このブログを作ったのは良かったと思います。もしこれがなければ、最後まで受験生活を続けることができたか確信がありません。Seesaaさんありがとう、ネット時代に生まれてよかった。

ネット時代といえば、学校の講座もストリーミング配信でいつでも見ることができて、非常に助かりました。その昔は、大都市と地方では学習環境に雲泥の差がありましたが、今では、地球の裏側にいても東京にいる受験生と同じ条件で勉強できます


試験の内容は、私が再チャレンジする頃から、税法の試験の内容が暗記中心から理解中心へ変わってきました。一字一句的な暗記がもともと苦手だったので、適用関係があっていてキーワードを外さなければマルが来る現在の試験の傾向は私にとってはラッキーでした。ただ、最後の国税徴収法は試験委員がヤル気がなく(といっては失礼かな)ほぼベタ書き勝負でしたけど。


最後に、税理士試験の選択科目としての酒税法と国税徴収法について書いておきたいと思います。これらの科目は受験者、合格者共に数が少なく、ネットでもろくな情報が得られません。これから受験する人のために少しでもお役に立てば幸いです。

国税徴収法は大変お勧めです。税金が確定したあとの取り立てなんか勉強してなんになる?と思うかもしれませんが、国税徴収法を勉強すると他の法律、特に民法の知識が自然と蓄えられます。これは実務においても非常に役に立ちます。仕訳を発生させるもととなる取引自体の見え方が変わってきます。納税額の計算を主目的とする法人税法その他の税法を解釈するときも多面的に考えることができるようになります。
試験内容ですが、本試験の問題はページ数も少なく、計算も電卓なしでできるぐらい簡単(基本的に万円単位の計算しかない)で、解答時間も理論計算あわせて大体1時間半あればおわります。私も、終了20分前ぐらいには終わって内容をゆっくりチェックして、最後はペットボトルの水を飲んでました。(落ちた年もそのぐらい余裕ありましたけど。)なので字を書くのが遅い人や計算の苦手な人にもお勧めです。


酒税法は、よっぽどお酒が好きか早く合格しなければならない人(私どっちにも当てはまります)以外にはあまりお勧めできません。

米・米こうじ水、発酵こす、アルコール分22度未満で清酒です(うちの子どもたちもこれ言えます)、なんて判定ができても税理士の実務上何の役にも立ちません。飲み屋でうんちく言う時にはすごく役立ちますけど。

ただ、酒税法の理論は題数が20問しかないため、その応用理論は精緻を極めます。条文解釈を厳密に行い、他の規定との関連を適確に記述する必要があります。そのため、法律を読む練習にはなると思います。また、酒税は純然たる消費税で従量税のため、免税や税額控除、みなし製造などの規定に物税特有の構造があって、そういう方面に興味ある人にもいいかもしれません。


あと、国税徴収法と酒税法は担保や強制換価手続で相通じるところがあり、W受験する人はそれなりのメリットがあります。教材やカリキュラムはTACので十分だと思いますが、2科目ともマイナー科目ゆえかテキストが練れてない感じがあって、若干ピンと来ないところところがありました。なので、市販の「図解国税徴収法」「図解国税通則法」、「図解酒税」を参考にテキストの補強はしました。国税徴収法については、民法の入門書税務大学校の教本(WEBからDL可)も参考にしました。酒税法については、毎晩実地で研究し焼酎工場にも2回見学に行きましたが、こちらはあんまり役にはたたなかったかな。

どんな試験もそうですが、合格するには実力と運が必要です。税理士試験では、会計科目は実力7割運3割、法人税法が実力9割運1割、酒税法と国税徴収法は実力と運が半々ぐらい。そんな風に感じています。
それはさておき、試験勉強はとことんやり切ること。そうでなきゃ、運もついてこないんじゃないかなぁ。
このブログも、途中からすかしたことばかり書いてましたが、実際はヨレヨレになるまで勉強してたし・・・・
おかげで、頑張り過ぎてボロボロになった人の気持もわかるようになったし・・・
そして、やるだけやったらあとは試験の神様にお任せする。合格したら運が良かったんだと感謝し、落ちたら受験期間が1年伸びるだけだと開き直る。そんな気持ちがないと長丁場の税理士試験はなかなか全うできない気がします。

また、ろくに勉強もしないで、受験を繰り返し、税理士受験生であることに安住してしまうようでは、絶対に合格はかなわないと思います。そんな人は、「受験生であること」で自分の人生をごまかしているに過ぎません。再チャレンジする前の私がそうでした。そして、最も悲惨なことは、試験の重圧に押しつぶされて、一度しかない人生を台無しにしてしまうことです。税理士になることだけが人生の目標ではありません。どこかで受験から離脱する勇気が必要なこともあります。そのことも忘れないでいてほしいと思います。


こんなところでしょうか。皆様の幸運を祈ります。



追記
えっと、ごくたまに質問をくださる読者の方がいらっしゃいます。
内容は、大きく分けて二種類。ひとつは、税理士試験の受験についてのご質問。もうひとつは、いわゆる税金相談。
前者については、このブログの経緯からして、可能な限りお答えすることにしています。
しかし、後者については、税理士法などとの関係もあり、お答えすることはできません。
また、記事アップから時間が経っていることもありリンク先が途切れてたりとかいろいろ不具合もあります。
悪しからず、ご了承ください。

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